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三岩岳のクリスマスツリー・・・山の妙味について考える ⑥

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三岩の小屋で 玄冬を向かえる白秋の山々を語りあう
 
夜は更け 月は高きにあり 透明な白で輝きをます 
小屋を囲むシラビソの木々を 白く照らしだす


シラビソの米つぶほどの葉先には 小さな雫が垂れ 
その一粒一粒の葉の 一滴一滴の雫を 月が透明な白で照らし出す
キラキラと幾千幾萬の葉先が 光の瞬きを繰り返す


とてつもなく大きい クリスマスツリーのようだ


闇に立つシラビソは 幻想のうちに薄衣を纏い 光を飾りとした
深く静かに魅入ると 突然 風が吹きあげた 
枝が揺れ 光の飾りが掃われ どぉっと「光」が降りかかってきた  


凄い 見惚れるばかりで 何もすることができなかった
この驚き、、、これが自然の茶飯事なのか? 
魅入る者に感動を宿らせ それに触れた心を震わせる

 
その感動に 崩しかけた身のアンバランスを知る
都会ズレした身の そんな浸し方でも いいではないか 
オオシラビソの光のシャワー・・・、少し早いメリークリスマス


振り返ると 薪ストーブの灯りが 小屋の硝子から漏れだしている
その硝子のこちらとあちらとに 人間臭さの境界が見えた


仕事に追われ 山にも行けないと嘆いたS
忙しがり屋の彼も そんな硝子の内側の人間だった
賑わいの夏が終わり 山もそして仲間もそれぞれに迎える秋


山との関わりを 静かに見つめなおしている
山は思考の場でもある 
白秋の宵に 白秋世代の想いを・・・、じっくり語り 伝えよう   

1994年 山行記録より


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by tabilogue2 | 2017-07-28 01:14 | 会津・越後 | Trackback | Comments(0)