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愛読書、南会津郡東部の山(郡山山岳会編)18ページに「風土」という項目がある。
俄然、山岳会の ”教養たるもの斯くあるべし” そう思いハッとした。

南会津地方の民家に見られる典型的な「造り・構造」の話。
雪の多い南会津は一般住居でも二階からも出入りできるように 
玄関のような引き戸がまるまる一間の間尺で二階の道路側に仕付けられている。
これは「兜造り」と言われる、鎧兜の兜をすっぽりと被ったような屋根の造りだ。

その一方「鍵家造り」、いわゆる「南部曲り家」同様の造りが目立つ。
主に農家のようだが 家がカギのように折れ曲がった「曲り家」造りの家。
田島から伊南に抜ける途中、舘岩の前沢地区には 
観光用に「曲り家カフェ」なるものがあったように記憶する。

豪雪地帯では母屋 厩舎 収農舎(すのや)トイレ 風呂場 収穫物の下処理場 保冷庫などを
全て母屋に繋げて取り込み、屋根の雪下ろしの雪を積み上げるスペースを確保している。

雪解け水が浸透する「逆漏れ」(すかもれ)を防ぐため屋根の勾配は急で、
落ちる雪の重みで軒が潰されないように 軒の出っ張りは短くできている。

常居(じょい)と呼ばれる広間には大きな炉が切られ 
土間や板間が広くとられ冬の藁打ち仕事や 簔づくりができる様になっている。
長い、そして暗い冬、人も家畜も同じ屋根の下 食事も給餌も 同じ屋根の下で・・・
こういう生活文化が南会津の礎になっていたんだね。

会津駒ヶ岳も家畜の馬を雪形にみてとっているし、隣の中門岳も「鍵家造り」の呼称から名づけられている。
生活に山が密着している度合いが高いという証拠。
「中門造り」とは鍵屋造りの一形態で 凸の字型に家が作られ、
座敷など居住部や囲い通路が突き出した、真上から見るとT字型に造られた家をいうらしい。
そういえば 中門岳は 
会津駒の主稜線から北方に突き出た山容であることを思い浮かべることができる。

中門というのは、台所や土間入口から直接吹き込む雪や、屋根から落ちる雪で
屋内に持ち込まれる湿気・水気を避けるための「緩衝の役目」を果たす。
冬期間だけの仮設で造られる中門もあるようだが、
突き出した中門に厩舎 トイレ 風呂場 物置などがあるのも雪国の必然性から来ている。 


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とても面白く 読み直しました。
そしてもう一つ 

こうした家々が山間に点在し集落や村を形成し 強い共同生活を営み自給自足の村社会を築き
今日まで営まれてきたことに この書物、郡山山岳会は着目しているんですね。
地方山岳会としての在り方に当時、地域文化研究に一つの指針を示したものと思います。

1980年出版。地方山岳会が最も華やかな時代。ネットなどなく、すべての山情報の発信が
「山岳会」という組織から為されていた時代です。「B層」の付入る隙もありません。





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冬道具 
ブラックダイアモンド社製の用具が多い・・・ピッケル バイル スワミ カラビナ アルミアイゼン
他は エキスパートジャパン製かな? 最も古いのはフランス製ジュラルミンシャフトのピッケルだ
沢登り ロッククライミング 冬山、どの山行にもワイカンのロープマンやペツルのグリグリは重宝する
水は欠かせない マルキル社製の水筒に詰めるウィスキーは日本製が優しい ビールはクラシックラガー





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# by tabilogue2 | 2016-02-14 11:40 | 会津学 | Trackback | Comments(2)