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このあたり、高低差のある雪庇が続く。 この雪堤をどこまでも登り続けると 後白髭。
下空沢の稜線上に着ている。今日は1077m、頂上まであと2キロ地点を最高点とした。



今日は「ブナを守る会」の観察会 2回目の参加。場所は船形山系の後白髭山。四輪駆動車がないので横川林道を乗合で行ける企画は 僕にとって凄く楽しみ。今日の参加メンバーは19人 前回の北泉ヶ岳とは違うメンバーが半数ほど? 前回と合わせて全部で30人ほどと知り合いになる。名前がまだ空覚えだけど(m´・ω・`)m ゴメン…あらためて、200人ほどのサポートメンバーだそうで 緩いけど凄い?集いですね。

今日の目的は「雪堤」見物 仙台から残雪が白髭のように見える後白髭の山容。その白髭のように見える雪提そのものを実地見物することが今日の目的。白髭の謂れは 山形の白髭神社が大本らしいと”深野”本にも出ていたよ > 千葉さん。ヒゲの文字は「顎鬚」ではなく、「頬髯」でもなく、「口髭」の髭・・・( ^ω^)地形図は「白髮」。どうみても「シラカミ」としか読めない。国土地理院が間違えて「髪」と誤記してしまった。白髭山も後白髭山も名誉を回復されないまま現在に至る。

屋敷平からではなく その上の定義林道を一段駆け上がった地点からのアプローチ。いつも林道の下半分を車で通過し 二段上がった「4キロの看板」から登っていたが 今日はキッチリと下から登った。これで定義コースの未踏部分がなくなった。次回、登る時は屋敷平から車を使わずに「県内最高の標高差1044m」を徒歩で味わおう。




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この辺り1000m まだ新芽が吹いていない 雪堤上で立休憩するブナの会の会員さん達


この雪提に乗るまで 道々にはコシアブラがたくさん! タラッポがたくさん! あった。天婦羅で、日本酒で一杯・・・妄想が脳内を駆け巡りつい採りたくなる

・・・ここで一言。福島第一原発の核物質拡散事故から6年が過ぎ 今は原発事故の恐ろしさが薄れてきてる頃合いだが じつは「コシアブラ」はセシウムの取込みが他の山菜よりも多く 思わぬ測定結果が出ているとのこと。セシウムとカリウムの性質が似ていて コシアブラがそれを必要栄養素としていっぱい取り込むから…なんだそうで、だから…コシアブラだけが他の山菜よりも多くセシウムが検出されるんだそうでっす。

除染対策としてヒマワリの栽培が注目されたけど、日本で入手可能な品種に限れば ヒマワリの吸収力は極めて低く、イボクサ・オオイヌタデ・ヨモギなどの方が吸収力が高い。「セシウムチャンネルの存在量」に差がある事による。 キノコの仲間は、セシウムを効率よく吸収する「セシウムチャンネル」を多く持っているので セシウム多検出となる。秋のキノコも 採取はヤバイということになりそうだな・・・。

隣県、山形でさえセシウム134とセシウム137とが大量に検出された。最上地区の件り・・・。どなたか?新庄神室登山で地竹汁を食べていたみたいだけど…?(排泄も最上地区で済ませてきてくれ 笑)最上地区、山菜出荷前検査での検出結果だという 恐ろしい。奥羽山脈系なら宮城県も「同等」だ。

ちなみに「気楽に採取した山菜天婦羅…」、体外排出後も核物質が浮遊するので食べない方がベター。ご近所にお裾分け??? とんでもない!!!  配ってはダメ!!! 拡散は禁物。子供に食べさせては 絶対ダメ! 「甲状腺被曝」問題があるから…絶対ダメ! お孫さんがいる家はダメ! 目に見えないものだから、、、つい、でも取り込めば遺伝子的に影響が出るもの と思って持込は回避しよう。

ちなみに 福島の甲状腺ガン罹患者数は(プライバシー問題云々で)明確に発表されてはいない。じつは 確実に罹患者数は増えているんじゃないの?という疑問。 政府も「5年後の数字」を発表したらどうなんだ? 実際、2015年時点で子ども達に1巡目で113人、2巡目ですでに25人、計138人の「甲状腺がん」罹患、または疑い。 2001年から2010年のデータの男子は90倍、女子は52倍とされた時点からさらに増加しており、事態は深刻のはず。いまだ中間の2011年から2016年までの「5年経過後のデータ」は環境省による発表がない。数的情報を積み上げているだけだ。もし正確な罹患者数を発表したら、ブーメラン効果で「自主避難者の正当性」を認めることになる…からか? 理由は不明。


来週、三峰山の「山菜山行」の予定だが 「食べないのがベスト」「採らずに過ごすのがベター」な選択。Sさんから5月12日現在の青葉区定義で採集コシアブラを 測定依頼した際のデータが別紙にて示された。それによると セシウム134が34.3したベクレル/kg セシウム137が175ベクレル/kg 合計で209.3ベクレル/kgというデータが示された。宮城野区役所6階にある測定所に持ち込んでの結果。一般食品の基準値は、100ベクレル/kg以下ということだから 約2倍の値になる。”今日の強烈な「セシウム情報」をお知らせしました”…ですと。壊れた原発から南風に乗って飛んでくるセシウム、完全廃炉になるまで、夏季はわいた羽虫のように飛んでくる 収まるはずがない。まいっちまう 原発。。。


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ランチ後 帰り足ですが雪提は続きます


今日も 実に アカデミックな観察会。 山ヤは山ばかり見て 沢ヤは沢ばかり見て 釣師は魚影ばかりを追って 山と関わっているが、いづれも山の捉え方に偏りが見られる。「楽しさを求めることばかりが 山じゃない」ってこと。山に行く途々で 登山行為とは別の観点・基準で山を振り返り観ることをこの観察会では教わっている。

ある種、50年も登山行為で親しんできた「自然」を より総体的な「暮らしの中の一概念」として探ろうというわけ。それで何が見えてくるのか? 過去に行為された事柄が現在そして未来にわたり 暮らしにどう関わっていくのか?そう考えると ハイキング、冬山登山、沢登り、岩登り、釣り…は ほんの一角、一面的趣向にしか過ぎないこと。。。 じつは それらのもっと根本的な問題がブナの森から社会に向けて発信されている というのが分かってくる。そういう立場で ブナの会の「観察」「学び」の見学会にこれからも参加していこう かと思う。 

にしても…今まで半世紀、山に通ってきたのに…、いったい何を学んできたのだろうか? 見返りでのショック!? 痛いほど我が身の「着眼点のズレ」をさらけ出し、さらに今回も新しい知識と考え方を心地良く教わった。山歴だけは50年だが 単に フィジカルに沢を、単に 雪山を「消費登山」していただけじゃないか・・・単に ブナのもつ柔らかさに憧れ 単に その情念に身を任せ 単に ブナの森の懐に寄り縋っていただけじゃないのか?300年、400年と生きるブナを今現在の断末魔に 単に 過ぎ去る「背景」として見てるだけ? って…。山に常備された置き薬のように「在って当たり前」なもの、だが実はそこに「政治」が大きく関わっていただなんて、、、 それを 見逃していた。

 
しょせん、一階の住人にはニ階の住人の暮らしぶりなど見えないものだ、、、上には上がいる その一言だった。「船形山のブナを守ろう」「仙台の水源を守ろう」と行動を起こした先達がいたから こうしてブナの森を我々は歩くことができる。またしても開眼させられた。ほんとに感謝し、皆さんの博学 深みのある知識 行動力に感服している。


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今日のチーフリーダー Sさん 「仙台のブナ林と水・自然を守る会」幹事
90年代当時、彼らの「皆伐反対運動」のお陰で、我々はブナの森を楽しんでいられる、「感謝」の一言である。
 
2週間前に下見に来た時と違って雪の後退が早くて驚かれていたようで。
それにしても担当者は 下準備 ご手配 ご苦労様なことです。

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最近、テレビのニュースに「熊と一緒に出演」されている後姿の彼・・・(笑)ブナの葉に関しても ヒトクサリ持っておられるようで、黙ってここは伺った。「ブナ林に霧がよく発生する」 その訳は?という小噺。 構造的、科学的な論拠だ。それはブナの葉に関する考察 知識がある故の説明 とても解りやすかった。

ブナの葉には表面張力を極力打ち消す構造で出来てるようで まずは全体が「繊毛」に覆われ 極力 葉の上の水滴を溢(コボ)さず、繊毛に溜め込む能力があるとのこと。コレは解りやすい。それともう一つ、ブナの葉に秘密があるそうで、、、くるりんとU字構造になっている葉の形状 更によく見ると ブナの葉の縁(フチ)は波を打つように出たり引っ込んだりを繰り返して先端に向かっている。で、波の引っ込んでる部分の縁にちょうど葉脈が当たるようになっている とのこと。これらも 容易に水滴を葉脈から葉のフチに流し落とさないため だそうだ… で 樹幹流につながるワケ。

繊毛と葉脈、これらが葉に水滴を貯め それが水蒸気となり ブナ林を霧に包んでいる という説明。保水性の高いブナ。伐採したら山全体の保水力を失ってしまう という論拠はココにある。熊で一躍「時の人」になった彼ですが、熊以外の知識が相当に備蓄されてるようだ(´艸`) 100年かけて幹周り50cm ゆっくりと育つブナ。平均寿命は300年。その一本の木で約8トンの水を蓄える。根は複雑に絡み 天然のダムと言われる由縁。土壌の崩れも防止する。だから「皆伐」はいけないのだ。


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「ダウンバースト」・・・

いつぞや、日本中がこの話題に席巻された感があった。
この船形山系でもこの辺り、標高700mあたりにその痕跡を見た。

「ダウンバースト」が通過した痕跡
このあたりの「大量の太いブナが折れ、倒れて、林が明るくなっている」という説明があった。
下降気流・・・気象条件の凄まじさを目の当たりにした。

これも今日の話題の一つ、教えて頂いた。ほんと毎回 山知識が深まる。参加に有意義を感じる。

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「樹幹流」 よく雨の日に ブナの幹を雨水が伝い流れ落ちるシーンを目にする
それが樹幹流(じゅかんりゅう)だそうだ。これも初めて知った。
この言葉自体を初めて知り この「ウダイカンバ」の木にも樹幹流の流れが
幹のそばに滴れ落ち 白い泡となっている、、、これらの現象を教えていただいた。

そういえば 沢荒れの日などは・・・沢水が汲めなくなるので
ブナの幹に笹っ葉を当てて ペットボトルに雨を溜め込んだもんだった。樹幹流、おかげさま!

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木炭用に伐採したブナ林も「下種更新」(落下した種から生え育って新しく林を成立させた)により
二次林となったわけだな。
昭和63年に立てられたこの看板には林齢50年とある 既にこの二次林は80年が経過してるということか。

この立て看板一枚にも 休憩時間10分ほどをまるまる割いて
立看板に書いてある言葉の意味を一つ一つ解いて、文章の中身をくわしく説明されておられる 

CLのSさん ありがとうございました。


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なかなかどうして こんなアカデミックな山登りは他に例を見ない。いや、他にない。
もともと「観察会」は「登山」という範疇にはないカテゴリーだけど それら両面が味わえて愉しい。 

「学びの心」を呼び起こす。
それもこれも 先達の皆さんがブナとの関わりを深く持ったが故なのだろうけど
今日で、僕は二回目の「ブナの森」の見学会参加・・・、カルチャーショック 依然として出遅れ気味だ。

ブナの森を遠くじっと見据えれば、「自然」を通して「国家」「政治」が霧の中に浮かび上がってくる。
懐かしい、故庄司幸助衆院議員の話も出て…、今日も本当に自分の無知無頓着さを認識した次第。
CLのSさん ピタッと後ろにくっついて迷惑だったでしょうかw たくさんお話を戴きありがとうございました。
次回 栗駒山の「千年クロベ」 再びお会いできることを楽しみにしております。






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# by tabilogue2 | 2017-05-14 21:32 | 船形連峰 | Comments(2)