「臍下谷地」から「世界谷地」への転化・・・「山の妙味」について考える ①

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なぜ 世界谷地などとオーバーな名前を付けたんだろう?」


もう28年も前のことになるが…、YMCA山岳会では「栗駒山の全流域・踏査」を行ったことがある。

その頃、深野さんから以下のように教わっていた。
なぜ 世界谷地などとオーバーな名前を付けたんだろう?」
という会員の素朴な疑問に、彼は既に答えを持っていたようである。

もともと湿原のことを「臍下」「谷地」(セイカ、ヤチ)というようだ。
「谷地」はともかくとして、、、”臍下”、、、?
彼は既にその「古い時代の一般的表現」を文献上で拾っていた。

ただ、地元としては「臍下」という呼び名では
栗駒観光には活かせない、「格好」が悪い…と云うので
「臍下谷地」がいつの頃か(戦後、第1次登山ブーム時代?)「世界谷地」に転化した。

なぜ「格好」が悪いのか?といえば、
”臍下丹田”などという言葉どおり 臍下とは「ヘソの下」のことで「湿地」「谷地」を指す。
淫語ではジメッとする「女陰」「ホト」を意味する。

きれいな湿原が”女陰”じゃどうにも「格好」が悪い、
観光の妨げになる…ということで「臍下」が「世界」になったようだ。
これには会員一同納得したものだった。


こんな淫靡な話は山ではよくある、
例えば二重山稜の地形ゆえに尾根上に湿地を持つ山…
例にあげれば、南会津の黒谷川沿いにある二重山稜の山
といえば”火奴山”(ひどさん・ほどやま)が有名だが、
まさに「女陰」の淫語”ホト”がそのまま山名になっている。

他に 会津志津倉山では「細ヒド」コースがある。
或いは七ヶ岳の「程窪沢」とか・・・探せばたくさんある。
会津では「ヒド」といったり、福島では「ホド」とよんだりしたが 
一般的には「ホト」と読む。

とまあ「臍下谷地」から「世界谷地」への転化、
その成り立ちを、今じゃ珍しい言葉を使って当ブログに書き遺した。
インターネットとしては「初公開のネタ」になる。

初めて眼にして妙に納得のいった方も居られたろう。
このネット時代にブログにしたためておかないと
「因を含んだ言葉」が闇から闇へ葬り去られてしまう。

50年も歩いた中で、
山に関する些事や言説はこのボケた頭にほどよく備蓄されている…、
でも呆けて取り出すのに少し手間取るのが難点か?(´艸`)。

また、「世界谷地」は古くは「八ツ頭原」ヤツガシラハラ 
といったそうである。水芭蕉を里芋の葉と見做したのかな? 
これも付記しておく。



仙台YMCA山岳会というのは徹底して「沢遊び」をし、
単にフィジカルに登るだけじゃなく「総体」として山をとらえ、
山を「学び」の場にしていたんだなぁ…と、
今さらながらに思った次第である。

人間性はともかくも 深野稔生さんには学ぶ所が多い
私も彼を師と仰ぎ 彼に学んできた一人である


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by tabilogue2 | 2017-07-26 18:20 | アラカルト | Trackback | Comments(0)