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会報「いろりばた」 南会津山の会・・・山の妙味について考える ⑤

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若い時分にふとした縁で南会津山の会の会報「いろりばた」をお分けいただきました。
その会報での常連寄稿者は川崎精雄さん 望月達夫さん 中西 章さん。
知人の縁で、森澤賢次さん、笹川慶子さん 成田安弘さん、野口冬人さんなど・・・。

今から60年ほど昔、
当時は登るという行為と論壇というサロン行為との混合が 
当たり前に盛んな時代だったようです。山という一字に「深み」が与えられた時代ですね。
単に山に登るというだけの行為で「山を語る」のはどだい無理な話で、
尽きることのない山への情念が地域研究や「歴史が通った峠」史などの中身を伴って 
会報誌として毎号まとめられてきたわけです。
その陰には 果てなき山への熱情があったわけですが 

冬になり時間に余裕ができたら 
愛読書となっていた「いろりばた」をインデックスとして整理しようと思っています。
いつか誰かがデジタル化しないといけないのでしょうけど 
故人や古老たち会員に敬意を表する意味でも手持ちの会報25巻を
インデックスにでもできればいいのかなぁ などと思っております。

尻に火がつかないとなかなか実行できるものではないのですが、
昔の山行を学ぶ意味でもこの冬から内作しようかと思っております。


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私の書棚:「いろりばた」69号("昭和"の最終号)

かつて「南会津山の会が発行した会報“いろりばた”紀行文を 
デジタル化して遺そうとい私的な試み」である。 
この冬 暇を見つけてはタイピングを継続してきた。
約1ヶ月をかけ手元所有の「いろりばた」を全巻読み終え、
各巻ごとに貴重な紀行文、好みの文体をピックアップし
(但し、茗渓堂などで広範囲に販売された特集号・記念号などは省いた)デジタル化した。
この第69号が昭和年代発行分の最終号となる。

47~69号まで こうしてみると・・・登るという行為を基に
会員の想いや人生観が浮き出て、会津を基盤に様々な方々が集い、登り、
その会津を語っておられることがわかる。
(語れるほどの”山”を愛し持てておられることが今さらながらに羨ましい)

中西章さんの造詣深い短編詞に
「雪国に住む人は、冬になるといつも暖かき南の大地に想いを馳せるという」の行りがある。
どんな土地、どんな辺境にあっても
その土地を受け継いでこられた先住の方々が
住み慣れたその土地を払い新しい土地へ土着することへの困難さ、切なさ等を
「峠路の紀行」を通して理解しえた。
峠を越えることが旧来の生活との離別という
「辛さ」「哀しさ」を隠し持つことも理解できた。

特に今回、望月達夫さんの阿武隈紀行シリーズ
「阿武隈の晩秋」「阿武隈の低い山」「阿武隈の低い山(2)」「阿武隈日記」を
転載するうちに阿武隈との関わり方 
例えば「故郷の山を形容する地元人の敬い」、「風土や暮らし向き」、「会津や阿武隈、福島の人情味」
という点でビシリと伝わってきた。

ましてや3年前、原発事故で立入禁止、故郷を失ったことへの
怒りや口惜しさが尚更に理解できたという副次的心得も備わった。

それは、30年という時を隔てもなお、
「人の暮らしとは本来どうあるべきか?」という問いとなって伝わってくる。
「幸と不幸」「文明が文化を駆逐する」という背反性、
この不条理が見えてくる。


今となって会報「いろりばた」は老会員たちのアーカイヴに留めるのか?
今後如何に伝えるのか? ただただ消滅の一路をたどるのか?
甚だ恐縮ながら朽ちることへの覚悟をせざるを得ないのか?
仮に図書館の書棚の隅に遇されるならされるで
それも一つの終え方かもしれないが、
どの道を採るのかは誰もわからない。
老齢による会活動再生産がなされない現状を鑑みて、
いろりばた愛読者ならばこれらを「過去の遺物」とするのは
もったいないと考えるのも道理。


手軽に 広範囲に「インデックスから本編へ」PDFファイルをネットを通じて
「会員制にて読む」ことができれば
かつての紀行文の遺し方として 一つの良い方法かと思うが、
「権益」にすがるばかりじゃ「将来の形」は見通せない。
それを指し示すことが現存会員たちの任務であろうか。

版権を持つ版元(南会津山の会)や著作権絡みの受益者に損害が及ばぬように、
インデックスを各号記し不遜の備忘録としたい。
今号でこの「いろりばた」の「抜粋」ならびに目次と表題だけの
インデックスタイプ作業を終わりとしたい。
では何分宜しく願う。



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by tabilogue2 | 2017-07-28 01:12 | 会津学 | Trackback | Comments(0)