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今年最後の積雪期 北面白山 カモシカ尾根ー天童高原循環 

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雪道を走れる車がない今、冬季7回目のJR仙山線登山でした。すっかり仙山線にはお世話になりました。6時に自宅を出て8時には面白山高原駅。カモシカ尾根を登り 山頂から天童高原経由で循環してきました。時間が読めるって 最高ですね。遅くとも17時20分に乗れば 夕刻ギリギリには帰宅可能ですから 17時までゆっくり歩いてスギ花粉に殺られながら「グチュグチュ」させ 一日中歩けばそれでいいんですw

さて、すっかり雪がなくなり 長左衛門水平道まではオール夏道でした。プラブーツが重いです(笑)水平道から上部はザラメ雪で詰まっている急斜面。おまけにいやらしいクラックの斑模様のやりにくい斜面。斜面を前にちょいと一服、、、ストックを折りたたみ ザックサイドに括ってピッケル&アイゼンを出して いわゆる「ピッケル&アイゼン登高」が山頂まで。雪山から春山に姿を変え、残雪の山々が楽しみですね。

100m続く急斜面の中ほど・・・・下山してきたソロの男性とすれ違いました。挨拶を交わし数歩やり過ごしたときに ザザザーッ という音。振り向きざまに ソロの男性が落ちていくのを目にしました。ストックで止めようと必死にもがく。突いたっ!と同時に反転し、頭から仰向けに滑り落ちる、あっという間その男性はブナの木に思いっきり体当り、一度は止まりかけましたが 勢い余ってさらに5mほど滑り落ちました。暫くうずくまってたけれど、、、立ち上がったようで、まずは一安心。 

その方、朝の電車が一緒だった男性ですが かなり飛ばしてのピストンのようで・・・、おそらく足にきてたんじゃないかな? ソロだから 休憩も充分とらなかったでしょうし。。。上り電車は午後1時半、次は午後3時半。2時間も待ち時間があるのは確かにツライ。急いでいたんでしょうね。いきなり15mも滑落って・・・怖い!まだこんな斜面だからいいですけど。これが100m 200m ってなれば? 一般ソロ登山者の現実、「春山の恐怖」なんです。それにソロだから、休憩せずに歩きっぱなしでしょう?


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一般登山者の典型スタイル=軽アイゼン6本爪+ダブルストック、ピッケルなし知ってか知らずか 春山は一旦滑り始めると止まりません。アルミ10本爪でさえ 滑り出すんですから…! 滑るのは承知していても 止める道具がないんじゃ どうしようもない。 打つ手なし 無防備そのもの。ザラメ雪じゃ止まりません! 朝のうちは 氷結して軽アイゼンでも効きがいい。午後は…腐れ雪で 表面下10cmほどがザラメ層になります。

朝に効いたはずのアイゼンも 午後はまったく歯が立ちません。おまけにアイゼンの「プラスチック製アンチスノープレート」がさらに滑る役目を果たし どんどん滑るわけです。軽アイゼンの刃は短いので なおさらザラメには役立ちません 春は氷結斜面以外はまったく効きません。頭から滑り落ちて 天地逆さまじゃ仰向けになって 頭から立木に激突★★★ストックが長いので、止めようにもなんともならない ただ空を掴むようにもがくだけ? 落ちるに任せる 哀れ。


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急斜面でのピッケル&アイゼン歩行は三点確保が基本。。。春山でピッケルを持っていない人は 「それで いいヨ」って何処から知識を得たんでしょう? ピッケルの使い方がわからない?仮に滑ったらどうする?、、、尖がってる先を雪に打ち込めば「初速」なら片手でも止まる!三沢山から北面白山の山頂まで、長左エ門水平道から山頂まで、、 縦走用ピッケルが必携になります。

急斜面の歩き方・・・ピッケルを刺して、一歩、二歩、進めます。前進も後退も ピッケルを刺してワン・ツー、ピッケルを刺してワン・ツー、ピッケルを刺してワン・ツーのリズム、急斜面の定石です。キツイ斜面は カニ歩きでジグザグに登ります。雪に刺しこんだピッケルが効いてるんで 怖くありません。ピッケルは 常に(自分に対して)山側に位置するように持ち替えながら 確実に刺しこむようにする。アンザイレン時のロープは 自分に対して谷側に位置するように持つ。左斜上は右手にピッケル左手にロープ。右斜上は左手にピッケル右手にロープ。ジグザグの度に持ち替えます。理由は 刺したピッケル支点から滑リ始まった所までの距離 =「落下のモーメント」を初動で最小限にするため。

急斜面の下降時は・・・最大傾斜角に近い登下降は、どんなアイゼンでも滑りやすいんで、「最大傾斜線に正対して降りる」のは危険が増します。この場合は「最大傾斜線に対してアイゼンを真横」に置いて カニ歩きのように登下降します。ピッケルを刺して、横歩きでワン・ツー。 一歩目を少し大きめに下方へ踏み出します。二歩目は小さく添える感じ。とにかく キッチリ刺しこむ。

さらに急斜面で、氷結バーンのケース・・・基本はピッケルでの「三点確保」でバックステップで降ります。ピッケルの尖った先(ピック)を氷結面に刺して バックステップで下りる。ピックを打ちこんで 後ろ向きにワン・ツーでおります。ピッケルが頂点となる三点確保です。

「過信」は禁物ですがね。グッサグサのザラメ雪なら正対でも真横でも構わず ガンガン下りれますが。。。氷結斜面は真横か、バックステップかで確実に下りてください。

とまあ こんなことを山岳会にあっては教えてきました。一般の皆さんにも教示は必要で、今日からでも覚えてください。実戦でやる前に 何処かのお山で練習を積まないと 急斜面の山には なかなか思い切りよく入れません。


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by tabilogue2 | 2018-04-05 21:06 | 面白山 | Trackback | Comments(0)