栗木ヶ原湿原 葛根田川 松沢



d0347140_08051933.jpg

三ツ石山とキンコウカの湿原



「これなら次回 葛根田川支流で実戦リードができそうです「花の湿原」探索にでかけましょう」・・・と、
前回大行沢での沢登り訓練で repertumさんの優れた素質を見たわけですが 

その2回目の基礎訓練を岩手の葛根田川支流で確かめることが出来ました。
今日の課題は 滝の「安全なリード」 というわけです。
前回の基礎に 安全な 安全に という「安全」という2文字が加わります。

場所は花の湿原に抜ける『松沢』、滝が2、3箇所あります。急なゴーロ帯もあります。
そこでリード役として前と後ろに目をつけてwリードできたら かなりの「素質」だと思えます。


d0347140_06423807.jpg


葛根田の地熱発電所付近一帯は 
沢内部に「温泉」が湧き出るといったとても不思議な地域。虎毛山域の赤湯又沢より規模が大きい。
足元が熱いし 手を添えればアッチッチだし 登る 歩くルートに配慮が要ります。

左岸も右岸も ゴボゴボ ンゴゴゴゴ シューシュー を繰り返しており 斜面全体で何やら地鳴り音を発している。
おどろおどろしい、、、まるで「風雲タケシ城」な?(´▽`*フルッ 地雷がソチコチにある。

”爆裂地熱”に脅迫されている感じで焦ってしまうけど でもこれがケッコウ面白い マゾ的状況だ(笑) 
赤い析出物が滲み出る岩ほど熱い。 硫黄の匂いも相まって 通過スピードが自然と速くなる( ´艸`)
ちょっと慌ててルートをとると ソチコチに噴気孔の穴が待ち受ける アッチッチ アーチーw


d0347140_06554769.jpg


釜を持った2段滝、、、訓練なので、インスペクションに5分ぐらい掛けて様子を見ます。

で 直後に 「どこを狙う?」と 聞いてみます。ここで素質の差が出てくるわけ。
左壁トラバ 下段の滝7m直上 上段の滝5mへの移行 右から・・・納得の行くルートを意思決定したようだ。

彼はリーチがあるので 僕みたいな短足の人間と スタンスの置き方、選び方、足の運び方 がまるで違う
 唖然として 左側壁を通過してゆく彼の動きを見ておりました(笑)

オイそこ行くんかい? それ登るんかい? いっちゃったんかい ああ、そーかい( ̄ー ̄;・・・てな具合

あっという間に・・・ 軽々とクリアしてゆく 身のこなしがとてもスムーズ。 それだけでも大したもの。
短足な僕は正面ルートを選び 釜を腰まで濡れつつへつり 岩壁に取り付いてシャワークライムだった。

「見極め」的には神経を些細に払う必要のある「リード役としての注意点」が3つぐらいあるようだな。
まず、登る前に 最初のビレイ支点を作ること です。今現在の課題①


d0347140_06564886.jpg
7m+5m 2段の滝


上段の滝は右の「フェース」を登るんだけど 彼は足が長いので、コッチのスタンスからグイイイっと右足を伸ばし 
凸角向こうの壁にアッチのスタンスを探ったようです 僕には見えない頭上のホールドにも手が掛かり
岩角を跨いで両足ともスタンスを取り それで余裕だそうで・・・見てるこっちが笑っちゃうほど
あっさりと 僅かなホールドに指先をかけグイッと登っていく。 
タッパがあって、リーチが長い、、、持って生まれた才能「武器」って ホレボレしますねw 

途中 ランニングビレイの取れる木の枝が右壁の上に出てくるのだけど、彼は支点を採らなかったようだ。
ここは訓練なので・・・確実にランニングビレイをとれば?…満点のはず。今現在の課題②

途中の右枝にランニングビレイ支点を採らなかったことによる「支障」は もっと他に重要なことがある。

この状態は トップのビレイ位置がセカンドから見て 登るルートの左寄りにロープのラインが寄ってしまった状態。
つまり「危険予知」の観点でみると・・・セカンドはトップに向かって左側の滝にグランドフォールする可能性があるわけだ。
通常通りに右枝に支点を採れば・・・ラインはセカンド-右枝-トップとなり セカンドは右枝の支点を目指す=墜落が回避できる。
狙うルートとロープのライン取りが一致していないと…後続は迷うだろうし 危険に陥ることにもなる。

トップはビレイラインを考慮し支点を採る。ロープがスムーズに流れるラインにも配慮しランニングを採ること。
やることが多くて大変だが、、、滝の突破にだけ集中すればトップが務まると思ったら 大間違いね。
僕は右凸角の僅かなスタンスと頭上ホールドに指先をかけグイッと上がってゼイゼイだw タッパがあればね。。。


さらに、訓練なので、、、上段クリア後にアングルハーケンで支点を取ることも 登る前に指示しておいた。
ここでの問題は ハーケンによる支点の高さと伸びたロープの岩角の高さが 同じレベルであったこと。

セカンドを迎えるロープの高さがほぼハーケンと同じ高さだったので ハーケンのすっぽ抜けに要注意だ。
ハーケンの位置 角度 ハーケンのアゴの向き に要検討課題を与えました。

何でも打ち込めばいい…というわけじゃなく、打つハーケンの向きに注意。今現在の課題③
ハーケンの「ヌケ」を考慮し、ハーケンの「アゴ」と「向き」を決め「高さ」「左右の位置」を頭に入れ打ち込むわけですが 
これについては次回以降の課題。今日は結果オーライなので、、、注意だけ。


d0347140_07482036.jpg

2つ目の滝7mは特に問題もなく フリクションを楽しむ滝でした。
楽勝のようにみえても・・・水線を外れると右壁はとてもアッチッチッ。軍手があればベストだね。

なので水線通しに ビチャビチャしながら登る羽目になります。 
この滝で 吾妻大滝沢のフリクションをイメージして貰いました。吾妻より 沢自体が立ってましたけど。。。

彼は右の水線どおしに、僕はド真ん中の水の被らないルートを選んだ。


d0347140_07311548.jpg
ブルーグレーな激熱温泉です

d0347140_07263119.jpg
沢が蛇行してきた 


水質が変わり、急なゴーロ帯が数百メートル続くのですが・・・巨岩帯での高巻きなしのコース取りはお見事。
後続セカンドを気遣いながら先行していきます。立派なリードでした ごくろうさま!

沢が蛇行し始めた 沢源頭は三ッ石山まで続いてるのかな???水量がなかなか減らない。
どんどん進むと行きすぎ 少し戻ると湿原がバーッと現れてきた。先頭の彼が奇声を上げている。
湿原を見て驚いたんでしょう 声が明るく聞こえる よほど…安心したんだろうw


さあ次回、8月 吾妻大滝沢で「基礎編の見極め」! 

色々な形状の滝を 足裏のフリクションで乗り越え、味わうのが次回の課題。
入渓後10m滝、3段8m、これらの滝で”度胸試し”してw 滑川大滝についたら朝食を兼ね反省会
食後、8個くらい滝が続いて5m堰堤滝、12mシャワー、6m滝の泳ぎで巨岩帯を過ぎれば夏道に出て終了。
ざっと15個ほど面白い滝が続く。小さいのを含めると25個ほどの滝でクタクタになるはずw
ただ一工夫すべき滝…「左岸や右岸から上がったのでは面白味に欠ける」と堰堤滝でのヒントを与えておこうw

次回、アクアノートも忘れずに。「沢の遡行図」を書いてみよう。地形図にある各種記号も頭に入れておくように!
というか、、、「吾妻大滝沢をリードできる」ということは既に「沢の応用編」に入ったと考えても良い。
中級程度の技術と知識が備えられたトップ役…と考えうるレベルだね。経験だけが圧倒的に不足してるけど。
もう初心者/初級には戻れないということでもあるがw

積極的にトップを務め 経験を積み、腕を上げよう。そのためには山岳会の門を叩いてみるのも手。
ぷらぷら夏道、藪山をこの先10年歩き続けるよりも、冬山や沢、岩場の技術を基礎から体系的に学んだほうが
貴君にとって、最も充実した「初動の1年、大成への10年」になることだろう。
しっかり順を追って、基礎から学べば 3年後には一人前のヤマ屋になってるはずだ。

この先も ずうっと山を指向するというなら? 
今の自分に最も適う、確実なステップアップによる「自分づくり」だと僕は思う。入門が楽しみだ。



------------ 反省事項 ----------------------------------------------------------------------------


登り始めにビレイ点をとる、途中のランニングをとる、登り終えたらアンカーを打つ(自己確保し後続を迎える)
それぞれのハーケンの向き 応力のかかり方を考慮して ハーケンの位置(左右と高さ)に注意する
何らかの理由でハーケンが充分に打込めない場合は 予備としてもう一点ハーケンを打って 2つで流動支点をとる。
あるいは 3mmロープでハーケンにタイラップをする時は できる限り岩に近い点にタイラップする。

気がついた注意点を何点かまとめると以上のようになる 次回ノートに整理してご活用ください。

その他として
ビレイの仕方では 自分の立ち位置に注意する。後続が見える位置に立って後続をビレイする。前回も注意したはず。
後続が落ちた時にロープがピーンと張るので そのロープで足が掬われないよう立ち位置に注意する。

ハーケンにカラビナを掛けてプロテクションをとる場合は 必ずドローコードやスリング類と一緒にセットする
実験すれば分かることだが ロープがカラビナゲートに絡んでゲートを開ける場合がある
カラビナに掛かる応力をドローコードが逃してくれているのでヌンチャクのようなセットになる。わかるかな?



d0347140_22085552.jpg


d0347140_10335715.jpg
浮島

d0347140_08310533.jpg


d0347140_07590067.jpg
ミツガシワの池塘

d0347140_07594776.jpg
モウセンゴケ

d0347140_08015289.jpg

d0347140_08331229.jpg

d0347140_16065480.jpg

d0347140_22103437.jpg
コオニユリ


d0347140_12525884.jpg


d0347140_12565861.jpg
repertumさん 自然に触れ 表情が和らいでいる



d0347140_22445966.jpg
キンコウカ

d0347140_22472659.jpg
トウゲブキ

d0347140_22494819.jpg
ヒオウギアヤメ

d0347140_22521099.jpg
タチギボウシ

d0347140_22555133.jpg
が下がっているので… ホソバノキソチドリ かな?

大きな湿原だった。大丈田代の3倍はありそうだった
写真の他にセキショウ ヒメシャクナゲ サワラン トキソウ ニッコウキスゲ モミジカラマツ シモツケ ナンブトウウチソウ
この湿原 いっぱいに咲いていたのは サワラン トキソウ モウセンゴケ そこいらじゅうに咲いてました







トラックバックURL : https://tabilogue2.exblog.jp/tb/27002771
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by repertum at 2018-07-25 09:53 x
第二回沢登りレッスンありがとうございました。
噴気孔、熱水、滝、急登の巨岩帯と盛り沢山の一日でしたが、最後の湿原は素晴らしかったですね。後、水の中に活路を求めて歩いたら、意外と楽に歩ける事に納得しました。それより慣れない車の運転の方が疲れた・・・

アンカーの取り方、調べて送信します。また、宜しくお願いします。
Commented by tabilogue2 at 2018-07-25 11:02
> repertumさん
またまた 勉強になったと思います。色々の沢を登ると、、、山域や流域の特徴がわかるはず。
ヌメリが多く暗い二口山系の沢、火山の形成で岩質が滑らない明るい沢、湿原の源頭。深い森。

フリクションを楽しむ沢、色々な形状の滝を味わうことができる沢…これが次回の大滝沢です。
8月に可能な日程とGPV気象データで遡行日をお知らせください 6日~12日でいいのかな?
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by tabilogue2 | 2018-07-22 22:01 | 裏岩手 | Trackback | Comments(2)